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キャリアを逆算できなかった私へ

こんにちは、CTOの山﨑です。

これは Kyash Advent Calendar 2022 の24日目の記事です。

私はこれまでキャリアややりたいことを逆算して今行動するべきだという考えを持っている一方で、自分がそういった思考や行動をするのが苦手で実際にできていないことがコンプレックスの一つでした。しかし、その時の偶然だったりチャンスを得た結果を積み上げてキャリアを作るという事例を聞いたり、クランボルツ教授による計画的偶発性理論をベースした考えを元に自分のキャリアを整理した結果、そのコンプレックスが解消できたことが個人的に大きなトピックの一つでした。

このエントリーでは私のキャリアに対する考えや行動の一部を紹介すると共に、同じような悩みやコンプレックスを持っている人にとって、何かが変わるきっかけになれば幸いです。

予期せぬチャンスに備える

もともとエンジニアリングマネージャーのキャリアのきっかけは当時所属していたチームのマネージャーの退職に伴い、部長から声をかけていただいたことでした。私はそれ以前から、エンジニアリングに関する知識を高めるだけでなく、リーダーシップの発揮の仕方や周囲との協調性のとり方などの分野にも興味を持っており自主的にキャッチアップしていたことから、マネージャーをやってみないかという想定外のチャンスにも応えることができたのではないかと思います。また、マネージャーになった後には、経営視点でのマネジメントや技術経営、ファイナンスといった分野をキャッチアップしていたからこそ、KyashでCTOの打診を受けた際にも失敗に対する不安もある程度少なかったような気がします(それでも多くの不安はありましたが..)

キャリアを逆算して徐々にステップアップしたような印象を受けたかもしれませんが、実はそんなことは全くありません。私の場合は、自分の好奇心を徐々に広げていった結果でした。もちろんなりたいキャリア像をイメージし、逆算して知識を積み上げていくのが近道のはずではありますが、立ち止まることなく自身の好奇心をフルに使い続ければ、予期しない出来事をチャンスに変えることができるのではないでしょうか。

結果が見えなくてもやってみる

私はCTOという役割ですが、現在は情報セキュリティやガバナンスの強化というテーマに取り組んでいます。プロダクトを作る上でサーバーサイドやクライアントのセキュリティ対策は当然やってきていましたが、情報セキュリティやガバナンスの分野は専門的な知識はありませんでした。しかも金融業界ではそれらが高いレベルで要求され、それはスタートアップも例外ではありません。

未経験で結果がわからない状況ではありましたが、IT業界でもトップレベルに高い水準にチャレンジし成果に結びつくことができたら、後からキャリアを振り返っても必ず意味のあるものになると考え、リスクを取ってチャレンジすることにしました。

当初は採用の募集要項を書くにも時間がかかりましたが、周囲のメンバーにもアドバイスを多分にもらいながら、ゼロトラストやセキュリティマネジメント、PCI DSS等のガイドラインのインプットやキャッチアップをしています。その成果もあり、とても信頼できるリーダーの採用もできましたし会社として大きなセキュリティ方針の意思決定もできました。私自身のキャッチアップはもちろん、チーム作りを含めてトライしている最中です。

成功した後の姿をイメージし、失敗したり間違えるリスクを恐れずチャレンジし、やると決めてからスキルを磨いていくこともキャリア形成の一つになるのではないでしょうか。

目標やロールに固執しない

私のキャリアや会社としてのインパクトを考えた時、実は自分自身がテクノロジー固執しすぎないというかテクノロジーを起点にしすぎないことが重要なのではないかと思っています。

今の職場であるKyashではまだまだ組織としても発展途上であり、伸びしろや課題が山のようにあります。自分自身でコミットメントする領域を限定した結果、会社全体で見た時の重要な問題が解決されていないのであれば、それは本当に意味のあるコミットメントにはならないと考えています。

私個人としてはここを思考して自ら行動していくことが次のチャレンジで、それを考えるとこれまでにトライしてこなかったことが幾つもあり、とてもわくわくしています。

最後に

クランボルツ教授による計画的偶発性理論に対する私の理解を深めるきっかけを作ってくれた尊敬する友人に感謝します。ふとしたきっかけから20年ぶりに偶然再会したことを機に、お互いのキャリアやキャリア感について話始めたことでこのエントリーを作ることが出来ました。

キャリアの偶発性を考えるきっかけ自体が偶然であるという点も含め素晴らしい経験になりました